これは新築時の工事ミスによるものですが、このような工事ミスは気づかないだけで非常に多く、最近の住宅ではさらに増えるということを知って頂きたいのです。
完成時の見映えや見かけ上の構造面の強さは意識しても、耐久性を疎かにしてきたため、職人も業者も正しい工事方法を知らない場合が多いのです。
日本の住宅の寿命が欧米の半分以下というのは、構造面ではなく、耐久性に対する考え方がいい加減なためです。
絶対チェック は必ずチェックしてみましましょう
| 絶対 チェック |
項目名 | 木造軸組 | 2×4工法 | 鉄骨系 | ミス予想確率 工務店系 % |
ミス予想確率 ハウスメーカー系 |
| 防湿フィルム | ☆ | ☆ | ☆ | 50 | 20 | |
| 基礎配筋 | ☆ | ☆ | ☆ | 35 | 10 | |
| 基礎コンクリート | ☆ | ☆ | ☆ | 30 | 15 | |
| ☆ | 土台とアンカーボルト | ☆ | 80 | 30 | ||
| ☆ | ホールダウン金物 | ☆ | 40 | 10 | ||
| 筋かいプレート | ☆ | 35 | 10 | |||
| 柱脚・柱頭金物 | ☆ | 40 | 10 | |||
| ☆ | 防水シート | ☆ | ☆ | ☆ | 95 | 75 |
| 外壁通気工法 | ☆ | ☆ | ☆ | 80 | 20 | |
| ☆ | 断熱材と防湿紙 | ☆ | ☆ | ☆ | 95 | 75 |
| ☆ | 外壁合板と釘 | ☆ | ☆ | 95 | 60 | |
| ボルトとナット | ☆ | – | 20 |
「建て主が見るだけで工事不良がわかる写真と解説」
~住宅工事中の12項目のチェック~
「こうすれば100倍得する!新築・リフォームの賢い対応術!」
「一級建築士が警告!住宅はここが危ない!」
「建て主が見るだけで工事不良がわかる写真と解説」について
~住宅工事中の12項目のチェック~
このたび、改訂を5回繰り返してきた
「建て主が見るだけで工事ミスがわかる写真と解説」の完成版作成は冊子の作成を再検討し、ビデオ・一般書籍での出版を含め、別の形での公開とすることに致しました。
お急ぎの方は、パスワードをメールで請求して写真と解説だけでもご覧下さい。
もともと、住宅の寿命を左右する工事不良が無知や手抜きであまりに多発しているため、素人がわかる
内容に絞り執筆したものです。
建て主でなければ指摘できないた内容が多く、好評だったため公開および再度印刷する予定でしたが、費用が掛かることと、月刊誌での掲載、セミナービデオの検討、一般での出版など幅広く再検討することに致しました。
「一級建築士が警告!住宅はここが危ない!」
セミナー録中心の理解しやすい
「こうすれば100倍得する!新築・リフォームの賢い対応術!」
の内容についても同様です。
新築を考えている方、新築の契約をされようとしている方、建て売りや建築条件付を購入される方、既に工事中の方、入居後の方、リフォームを考えている方に役立つ、ぜひ読んで頂きたい内容ですが、効果的な発信方法を検討中です。
一般に流通している書籍と異なり、一般素人向けに具体的なノウハウを公開したものでした。
筆者は、設計だけでなく、現場監理の実務や職人との交流も多く、机上の理論と実際の現場の違いを
理解した上で指導しており、住宅評論家や現場を良く知らない建築家、現場の間違った知識を正しいと思い込んでいる住宅技術者、ハウスメーカーの営業マンには書けない内容が多くいずれ公開する予定です。
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月刊ハウジング (リクルート社) 2002年 8月号 バックナンバーを出版社に請求してください。
建て主にわかる工事中の欠陥を防ぐ特集の写真と解説を寄稿しています。
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「失敗しない住宅リフォームセミナー」横浜市建築事務所協会50周年記念事業で行ったセミナー録で横浜市に共催して頂きました。ミタス一級建築士事務所の所長が、リフォームの問題点と対策、提案のみならず、現在の新築の耐久性のなどの問題点や正しい方法などの解説をわかりやすく行っています。
ビデオ(約60分)に収録したものを、ご希望の方に数量限定でお分けします。
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下の写真が、なぜ間違っているのかわからない職人や現場監督がほとんどである。
断熱材の間違いが多い。断熱材は入っているが、防湿紙の間違いが圧倒的だ。
外壁の内部結露を最小限にして、構造体の腐れを防ぐには、湿気(水蒸気)が壁の中に入っていくのをできるだけ防ぐ必要がある。
そのために、断熱材には防湿紙がついているが、この取り付け方法が間違っていたり、細かい部分の施工方法を知らないか面倒で行っていない。
気密性が高くなった最近の住宅では、2×4工法を日本に輸入した当時にこの内部結露の被害で社会問題になったように、いずれ在来工法でも問題になると警告しておく。
もうすでに、その現象は生じており、あとは発覚するかどうかの状態となっている。
私が、強く訴えたいのが、次の①~③の耐久性にかかわる大きな問題と構造面の誤った施工である。
①防水シートや雨仕舞の施工不良による雨の染み込みと雨漏れ
②断熱材の防湿紙または、防湿フィルムの工事不良による内部結露
③床下からの湿気対策と白蟻対策
構造面の問題は、専門的になるだけでなく広範囲に内容がわたり、素人では判断が難しくなるので、その多くの内容には触れていない。
しかし、前者の①~③の内容は、業界や業者、現場監督、職人も知らなかったり正しい知識を持っていないケースが多く、皆さんが指摘しない限り間違ったままで完成、引渡しされてしまうのだ。
日本の住宅の寿命と欧米の寿命がなぜ違うかを考えて欲しい。
2×4工法でも日本での寿命は短い。気候の違いではない。住宅に対する考え方と施工の姿勢が違うのだ。特別な知識や費用はいらない。正しい方法は既に示されているが、それを一流のハウス
メーカークラスでも、必ずしも現場で正しく行っていないということだ。
10年保証が付いていようと、第三者機関の検査がついていようと笑ってしまうくらいお粗末である。
さて、この断熱材の施工の間違いは実に多いので、住宅の寿命を伸ばしたければ必ずチェックして欲しい。上の写真はみんな間違っている。
2×4工法はこのチェックを是非行って欲しい。
ここを見れば、構造面で大工が安心できるレベルかどうかがすぐわかる。
また、現場監督が役に立っているかどうか、業者が、現場管理を行っているかどうかも含めてすぐわかる便利な物差しだ。
皆さんは、外壁の合板の釘をよく見ることだ。特に合板の継ぎ目に打ってある釘を見る。
ここに10センチ以内ごとに釘をうってあるかどうかは当然のレベルでこの数字は簡単なので覚えておいて欲しい。そして、
①釘の頭がめり込みすぎていないか?
②釘が合板の間に打ち込まれていないか?その打ち直しはしているか?
を見る。
①は、理想は合板の表面と釘の頭が同じ位置にあり平らの状態だが、2×4工法の合板は針葉樹合板で柔らかく、その下の枠材も固さが均一ではない。そのため、ほとんどの現場でめり込んでおり、全ての釘が理想どおり打たれているのを見たことがない。
これを行うには手で金槌を持って打つしかない。2×4工法では、機械で打っているため多少はめり込んでも目をつぶることになる。私の経験では、だいたいめり込み深さが平均で1ミリならいい方である。
ところが、ほとんどの釘が3ミリ位めり込んでいるというのは、ちょっと問題だ。職人にも現場監督にも、業者としての姿勢も疑問だ。9ミリの構造用合板で、3ミリ釘がめり込むと耐力が半分に落ちると実験をもとに警告されている人もいる。
早めにこれをチェックして、直ちに釘打ち機械の圧力の調整をしてもらうことが、あなたの家を強くする。
これができていない2×4工法も業者は、問題が他の部分でも出てくると思ってよい。
②は、合板と合板の継ぎ目に釘を打っても意味がないので、打ち直しをすべきだが、それがなされていない場合も多い。その釘がダメだとすると、釘と釘の間隔は単純に20センチ空くことになり、耐力不足ということになる。
その他、合板から打った釘が枠を外れた場合など皆さんにチェックできる項目はあるが、他は省略するので、上記だけは自分の目でチェックして頂きたい。