ミタス一級建築士事務所でも、社会貢献として、何ができるかと考えましたが、まず地元地域の皆様への貢献として以下の内容で、ご要望やお問合わせの多い、
「戸建て木造住宅の耐震診断」、「その結果説明」、「必要な補強工事の概要と費用」について対応させて頂きます。
スタッフではなく、清水がすべて行わなければなりませんので、一度にたくさんの依頼があった場合はお待たせするかもしれませんが、その点につきましては、ご依頼があったときに、説明させて頂きます。
ミタス一級建築士事務所でも、社会貢献として、何ができるかと考えましたが、まず地元地域の皆様への貢献として以下の内容で、ご要望やお問合わせの多い、
「戸建て木造住宅の耐震診断」、「その結果説明」、「必要な補強工事の概要と費用」について対応させて頂きます。
スタッフではなく、清水がすべて行わなければなりませんので、一度にたくさんの依頼があった場合はお待たせするかもしれませんが、その点につきましては、ご依頼があったときに、説明させて頂きます。
戸建て木造住宅(在来工法)で、昭和56年6月1日以降に着工された方
(新しい建物でも Cで耐震性を確認可能です)
横浜市青葉区内でご希望の方 (地元ですので、地域貢献で特別価格です)
建物の大きさが延べ面積で150平方メートル以内 の価格です。
(50m2ごとに20%加算)
A 「戸建て木造住宅の耐震診断」、「診断結果書類とその結果説明」のみ
費用 110,000円(消費税10%含) → 66,000円(消費税10%含)
B 「戸建て木造住宅の耐震診断」、「診断結果書類とその結果説明」、
「必要な補強工事の概要と費用」について
(耐震診断結果が数値で1.0未満で、耐震補強の工事概要や概算費用を知りたい方
どこをどう補強すれば1.0以上になるか、個別に考えて補強例をお知らせします)
費用 220,000円(消費税10%含) → 176,000円(消費税10%含)
C 新しい建物で図面がある場合の「壁量計算・偏心率計算」及び「結果書面とその結果説明」
(新しい建物でも現在の筋交いや耐力壁が不安な方や偏心率が心配な方
間違っていることや、改善した方が良いケースは新しい建物でも珍しくありません。
図面だけで可能ですので、遠方の方でも対応可能な内容です。)
費用 110,000円(消費税10%含) → 66,000円(消費税10%含)
D 図面がない、図面が変更になっている、ツーバイフォー工法だという方はご相談ください。
※(追加)図面がない場合、耐震診断のための現地測定は通常66,000円(消費税10%含)の
加算となります。(150m2まで。これを越えると50M2ごとに20%加算)
但し、在来工法の新耐震の方(1982年以降完成)は図面に筋交いや耐力壁の表示がないと
計算できません。
横浜市青葉区以外の地域でご希望の方
建物の大きさが延べ面積で150平方メートル以内 の価格です。
(50m2ごとに20%加算)
神奈川県以外は、出張費が必要です
A 「戸建て木造住宅の耐震診断」及び「診断結果書類とその結果説明」のみ
費用 110,000円(消費税10%含)
B 「戸建て木造住宅の耐震診断」及び「診断結果書類とその結果説明」、
「必要な補強工事の概要と概算費用」について
(耐震診断結果が数値で1.0未満で、耐震補強の工事概要や概算費用を知りたい方
どこをどう補強すれば1.0以上になるか、個別に具体例をお知らせします。)
費用 220,000円(消費税10%含)
C 図面がある場合の「壁量計算・偏心率計算」及び「診断結果書類とその結果説明」
(新しい建物でも現在の筋交いが不安な方や偏心率が心配な方
間違っていることや、改善した方が良いケースは新しい建物でも珍しくありません。
数値を1.5まで上げたい方にも対応可能です)
費用 110,000円(消費税10%含)
D 図面がない、リフォームを同時にしたい、図面が変更になっている、
ツーバイフォー工法などの方はご相談ください。
※(追加)図面がない場合、耐震診断のための現地測定は通常66,000円(消費税10%含)の
加算となります。(150m2まで。これを越えると50M2ごとに20%加算)
但し、在来工法の新耐震の方(1982年以降完成)は図面に筋交いや耐力壁の表示がないと
計算できません。
図面がなく、リフォームのための図面を現地測定のうえ作成、という場合は
別途の対応となります。
設計も見積も工事も新築の方がはるかに簡単なのですが、私が心配しているのは、工事業者も職人も、皆さんでさえ簡単に考えていることです。悪徳業者が多いのもこのリフォームや耐震補強です。かなり高く取られても、正しく工事をしてくれていればまだましです。 実際にはとんでもないことをしているケースも多く、お化粧をして外見は 良くなっても、中身はひどくなっている場合も珍しくありません。
リフォームについては、その規模や工事範囲が広くなればなるほど、手入れを兼ねて工事をしなければなりませんが、 皆さんも業者も見かけだけにとらわれてお金を掛けているケースが多いのは、残念です。
私が、ビフォーアンドアフターに匠として出演することを承諾したのも、あまりに安易に建築士がリフォームをしていることに腹が立ち、構造体や耐震補強にお金を掛けなければいけないこと、見映えだけにとらわれて、耐震性を無視してはいけないこと、温熱環境も考えて正しく工事をしなければいけないことを訴えたかったからです。
当初は、あの番組で耐震性を無視してリフォームをしているのが許せずお断りしたのですが、私の主張を理解して頂き、それを訴えかける内容 にしましょうと言って頂いたので、私の主張を訴えかけたくて、出演することにしました。
さて、耐震工事に話を戻しましょう。いくつもの、他の業者や建築士らしき人の設計や見積もりをお客様からの相談で見せて頂いています。
ご心配で相談に来られるからかもしれませんが、まともなもは皆無といっていいくらいありません。そのほとんどが、高額な金物を売るための工事であって、効果があまり期待できないものや、面倒なことはせずに工事は簡単にして費用だけ掛けるような内容です。
中には、全く意味のない工事も珍しくありませんので、注意してください。また、耐震診断が正しくできる建築士は、一級建築士でも10人いても1人いるかどうかだと思います。その後の、精密診断といって、正しい耐震補強の設計のできる建築士は、もっと少なくなります。
横浜市で無料の耐震診断を行う建築士を指定するために、専用のソフトを使います。
正しく診断しないと正しい回答が出ないので、試験をしました。
希望した一級建築士でも半数が不合格になったのです。
これは、新築とは異なる診断と補強方法が必要だからです。
新築と同じように耐震補強工事をするのは、無理があるからです。
旧耐震の住宅はそれをするには実質的には建て替えた方が良い、ということになります。
そのため、既存の補強方法でと考えたのがこの耐震診断と補強方法です。
当初は、「わが家の耐震診断」で誰でもチェックできる方法です。
しかし、あまりに精度が悪く、
コンピューターソフトを使っての診断と変わりました。
ここで横浜市が無料で派遣する建築士を募集したときに
試験をしたのです。私も当然合格しました。
その内容もさらに精度を上げるために、
コンピューターソフトの改定を行っています。
木造の耐震補強工事の指導や監理まで正しくできる建築士は、
100人にひとりくらいしかいないのではないかと思います。
安易に考えている建築士や一般の方が多いですが、それほど面倒で難しいものだということを
認識して頂きたいと思います。
リフォームや耐震補強は 工事金額の割りに手間が掛かります。現場にも頻繁にお伺いし、確認して指摘や指示をしなくてはいけません。リフォーム会社に 何社も直接頼まれて、私のところに依頼された方も多いですが、意外にも私の設計監理費を含めても、安くなっている場合が多いです。
ですが、内装や外装、設備交換だけをご希望の方で、耐震については考えなくて良いという方は工事会社に直接頼れた方が良いかもしれません。
リフォームをするときに耐震補強を行うと、非常に割安で耐震補強が可能になります。
剥がしたり、復旧したりするのに費用と時間が掛かるからです。
ですから、耐震診断にお伺いしたとき、「1年前にリフォームしました」とおしゃってもそのときに何の耐震補強の提案も無かったという工務店やリフォーム会社、インテリア会社は大手・中小を問わず、よくあるのを、残念に思います。
私がリフォームの設計と監理をすることで、皆さんにメリットがあるのは、品質や性能、断熱性や耐久性にこだわって、耐震性も含めて考え直したい方には、
多分どのハウスメーカー、リフォーム会社、設計事務所に頼むよりも、納得できるものになるはずですし、実際にいくつか話をしてから工事をしたからも、そのようにおしゃって頂いています。
阪神大震災が起こり、6000人以上が、倒壊によってお亡くなりになりました。
倒壊した住宅はほとんどが旧耐震の住宅だったため、国や自治体が対策を立てました。
危ない住宅を少しでも早くあぶりだそう、ということで
誰でも診断ができる「わが家の耐震診断」を作ったのです。
しかし、精度が悪すぎてコンピューターソフトを使う制度に変更しました。
ですから、この「わが家の耐震診断」での点数はあまり信用できないのですが
大切なのは、1.0以上になるか1.0未満になるかの判断であり
0.9でも0.7でも0.4でも、0.2でも関係なく同じだと思って下さい。
私が行った経験から多い数字が0.4前後で
筋交いのバランスが悪いと0.2前後くらいという方が多いです。
0.2でも、震度5では倒れることはありません。
震度6以上になった時に、倒壊の可能性が高いということです。
逆に1.0以上になった場合が問題です。
新耐震でも熊本地震や能登半島地震のように震度7が2回来てしまうと
倒壊とか大きな被害が出ています。
検証の終わった熊本地震では、長期優良住宅でも被害が出て業界では
問題視されました。
新しい診断方法といっても
正しい知識がないとこのコンピューターソフトを使いこなせないのです。
間違った入力では、間違った結果しか出てきません。
さらに耐震補強もこれで確認するのですが、それも間違ってしまいます。
そのため、横浜市では試験をして合格者だけに横浜市から派遣する建築士の登録としたのです。
先に述べたように、希望した一級建築士でも半数が落ちたように、新築とは違った考え方です。
残念ながら、阪神大震災の検証でそれでは耐震性の確保は難しいと
2000年6月1日に、耐震に関して建築基準法が改正されました。
さらにその後できた長期優良住宅でも、熊本地震では大きな被害を受けてしまいました。
能登半島地震では、検証はまだ済んでいませんがニュース映像では
新しい住宅も被害を受けていました。
やはり震度7クラスが2回来ているからでしょう。
なぜ差が出るかというと、現状は1階は1階だけで耐震性を判断し
2階は2階だけで耐震性を判断するからです。
平屋なら問題ないのですが
本当は、地震や台風時には2階の荷重を1階で受けとめ
基礎から地盤へと力を逃がすことが必要なのです。
それを考えると、重要なのは2階の荷重をどのように
2階の耐力壁から1階の耐力壁へと流していくかを考えて
プランしないといけません。
アナログ的な解析になり、確認申請でチェックするには
システム化しにくい内容になります。
そのため、このことは一切考えられていないのです。
現在は、そういったことは一切考えず
建て主の要望を満たすために、ホイホイとプランしているのが
現状です。
そんため耐震等級3であっても、想定外が起こることはあります。
木造の構造計算の第一人者で東大の名誉教授で
故杉山英男先生から生前お話をお伺いしましたが、
「在来木造は本当は構造計算できない。接合部分にどのように力が加わって、
どのように流れていくか、またどの程度耐えられるかが
わからない。そのためピン構造ということにして逃げて計算している。」
実際に、小千谷地震で現場へ確認に行ったときに
接合部分が破断して倒壊している木造住宅や
大きな被害を受けている鉄筋コンクリート造をみました。
その接合部分に力が加わり過ぎたのです。
筋交いが4本も集中している柱と梁の接合部分が見事に破断して
倒壊していた住宅もありました。
構造計算では、ここは破断しないことにして計算しています。
そのため筋交いを多く入れれば良くなるはずが
実際は力が加わり過ぎて破断するのです。
これを避けるには、アナログ的に考えることと
集中して接合部分に力を加えない、加えるなら守る方法を取る
というアナログ的な考え方が必要です。
国土交通省が長期優良住宅と一般の住宅の実物大の3階建て住宅を造って耐震実験をしました。
同じ間取りです。片方は耐震性を強めて長期優良住宅にしています。
その普及のため、公開実験をしましたので専門家なら知っている人は多いはずです。
結果は、どうなったでしょう?
全く逆の結果が起こりました。
長期優良住宅が倒れたのです。一般の住宅は無傷でした。
2階建てとは違って3階建ては木造住宅でも、
構造専門家による精密な許容応力度計算を行い
絶対、安心だという前提でした。
どうしてこうなったかというと
先ほど述べた通り、接合部分に大きな力が加わり過ぎて
破断したのです。
そういったことを、専門家でさえ考えていないのです。
構造の専門家ほど構造計算でOKなら、大丈夫だと過信していますが
そもそも、構造計算できないものを無理に行っているのが
在来工法です。それを盲信してるのがおかしいのです。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造でも
「安全率を見ているから、構造計算でOKなら大丈夫だ」
と信じていたら、阪神大震災でバタバタとビルも倒れました。
構造計算がもっとも単純な高速道路まで倒壊しました。
ですから、本当は新耐震や2000年以降の長期優良住宅のレベルであっても
そういったことまで考えたプランか、そういった配慮を行っているかを
確認した方が本当は良いのです。
ただ、旧耐震の場合は、間違いなく震度7だと倒壊すると思うべきです。
単に数値を1.0にするのではなく、上記を考えたうえで補強プランを行った方が良いのです。
今回の能登半島地震でも、多額の費用を掛けて耐震補強し安心だと思っていた文化財が
倒れてしまったとのニュースがありました。
ただ、数値を満たせば良いというものではないのです。
昨年、姉歯さんの問題が報道されて2日~3日後に、NHKからこちらにTVカメラを持ち込んでの取材をお願いしたいとの取材協力の依頼を受けました。
私自身、あの時点では正確な内容や情報を知っているわけではなかったこと、推測を交えた無責任なコメントは、その影響を考えると軽々しくできないことから電話で一般的な正しい考え方や建築界の実情についてはご説明させて頂きましたが、取材についてはお断り申し上げました。
その後、しばらくして民放からも依頼がありましたが、同様にお断りいたしました。
しかし、その後の情報から、鉄筋コンクリート造に詳しい専門家なら
あの鉄筋の本数で構造的に大丈夫ということは有り得ない、とわかるはずでした。
なぜみんな黙っていたのかが、不思議です。
今回、北海道で浅田2級建築士による偽装問題が報道されました。
信念をもっているとの本人のコメントがあり、今までの耐震強度偽装問題(構造計算偽装問題)とは異なるケースだと思います。
私のセミナーでは以前から同じことを申し上げていますが、これを期に、私の考え方をここでオープンにいたします。
内容は多岐に渡るので、わかりやすいように質疑応答形式でコメントさせて頂きます。
まず、姉歯さんの構造計算書偽装事件についてどう思うか?
これについては、原因を含めていろいろ第三者からもコメントされているが、私が普段から申し上げているように、ひとことで言えば「造る側の立場で設計をして造る立場で工事をする」場合の弊害が出ているのであり、今さら何を騒いでいるのかという感じがしています。
建築に限らず、一流メーカーの自動車会社、食品会社でもそうであったようにそこに働いている人々は優秀で人間性が良くても企業第一で仕事をしているので、実際には、消費者の立場で仕事をしたくても、忠誠を誓った企業を守るために動いてしまいます。
住宅に関しては、自分たちで設計して、自分たちで造って監理してという現在のハウスメーカーや工務店のシステムを世の中の皆さんが当たり前と思っている限り、絶対に防ぐことはできないでしょう。
建築士としての社会的責任や信頼性についてはどう思うか?
世の中の建築士の多くは、企業に属している。
独立していてもどこかの企業の下請けや、ハウスメーカー、工務店から仕事をもらって生計を立てている場合が多い。
これらの状態では、消費者が客ではなく、給料や仕事をくれる企業が客なのでその立場で考えて行動してしまう。
姉歯さんもその例で、直接命令されなくても偽装をせざるを得ないと感じてしまったのだろう。
そこに住む人から仕事をもらっていれば、絶対に偽装しなかったでしょう。
この件は、姉歯さんが最も責任があり攻められるべきであるが、現場でもコストを落とすことを優先する工事がなされていれば、設計段階で問題がなくても工事段階で同じような危険が生じているケースも当然、日本全国にたくさんあると考えられる。
建築士としての社会的責任を本当に追求する体制にするには、裁判官や警察官のように独立した存在が望ましいのであるが、現実的には造る側の企業を中心にして利害が生じているケースが建築業界ではほとんどである。
住宅の場合は、実際にそこに住む人から建築士が依頼を受け、設計と監理をし、工事は利害のない全く別の業者が行うということになれば、決して偽装するようなことはない。
もし、あなたが裁判をしたとして、ありえないことだが裁判官も弁護士も相手が費用を払って常に雇っている人だとしたら、あなたは、裁判官や弁護士だから公平な裁判をしてくれると期待できるでしょうか?
当然、 弁護士が、依頼人から直接仕事を受けて、その人のためにその人の立場で仕事をするというようなパターンでなければならないはずです。
姉歯さんは、誰に雇われていたのでしょう。
マンションの販売会社の他よりかなり安く造って、割安なマンション販売を行うという方針に従わなければ、使ってもらえないと考えたのはなぜでしょう。
私立の学校の先生は、学校の方針と親の要望に挟まれた場合、どちらを優先しないといけないでしょう。
では、あなたが直接雇っている家庭教師ならば?
私自身は、企業や組織に忠誠を誓った造る側の立場にいては、住まい手に立った設計や監理はできないと感じたからこそ、独立しただけでなく、
下請けはせずに直接住まい手から設計と監理の仕事の依頼を受けている。
もちろん工事もしていない。
それで初めて、お客である住まい手のために、住まい手の味方になって設計や工事中の監理をするということが可能になると考えている。
設計事務所といっても、設計と監理だけでなく工事まで一体で行ったり、兄弟会社が工事を行うというパターンでは実質的に意味がない。
社員が組織の不利になることを、押し切って行うことがどの業界でも非常に難しいように業者から仕事をもらっておいて、業者の不利益になるような指示ができるはずがない。
あなたは、住宅を建てるときに誰から報酬をもらっている建築士に設計をしてもらい、監理してもらうのでしょう。
この考え方を皆さんにも早く理解して頂きたいと願っている。
私が尊敬している、建築よろず相談の荻原さんも、この考え方を広めるために建築よろず相談を大変な労力を運営されていると私は理解している。
設計事務所といっても、業者と癒着していることもあるのでは?信用できるのか。
そういう事務所も珍しくないかもしれない。
設計監理を工事費の6%程度で行うという設計事務所などもあるが、私が思うに絶対にそれではやっていけない。
こんな安い費用でやらせようとするから、設計事務所は生計が立てられなくて、下請けで言いなりになるか、工事を行って稼ぐしかやっていけなくなる。
その費用では設計は何とか行っても、正しい監理ができる状態や費用ではない。
監理をしっかりしないと品質的に良いものは決してできない。
設計事務所の多くが、設計だけはやっても、現場に行かない理由のひとつでもある。
事務所を維持していく経費があるので、現状は設計監理費が工事費の10~15%であっても、ボランティアの気分で仕事をしていないと仕事はやっていけない。
10~15%でも、高いと一般の人は感じるかもしれないが、私は自分の仕事価値を評価すれば工事費の100%でも、安いと思って仕事をしている。
それだけの価値を与えていると自負しているが、そう感じるかどうかは施主の価値観によって異なるので、そう感じない方の仕事は受けていない。(笑)
盆と正月以外は、土日祝日も休まず仕事をしているし、過大なお金と時間を掛けて自身のインプットもしている。
これだけ仕事をこなしている今でも、事務所経費の費用やスタッフの育成に費用が掛かるので、勤めていたときの半分以下の収入であるが、私はこれが高校生のときに決めた自身の使命だと感じて、毎日喜んで仕事を行っている。
設計事務所に頼めば良いのではなくて、どの世界でも、例えば医者でも弁護士でも、先生でも警官でも、いい人だけではなく、悪い人もいる。
施主にも悪い人はいるはず…。(笑)
ですから、これは自分の価値観と合わせて、設計事務所だから良い、悪いではなく依頼する前に、ご自身で選ぶしかないでしょう。
人によって、住宅や設計事務所に求めるものや期待するものも異なるはずです。
それぞれ価値観が異なるので、万人にとって良い設計事務所は、存在しない。
北海道で出てきた、浅田2級建築士は、信念をもってやったとのことだったが?
この方は、姉歯さんとは異なるパターンですが2つの間違いをされています。
ひとつは、信念を持って行うことは良かったのですが、ご存知のように構造計算上で耐震強度を満たしていなかったことが間違いです。信念をもっていれば、満たした上でプラスアルファでご自身の考え方を加算すべきでした。
耐力壁の考え方とバランスの良い配置で耐震性が増すことは紛れもない事実です。
壁構造の考え方は、以前は5階建てまでの低層マンションなどでは有効でしたが、6階以上はそれだけの考え方では認められていませんでした。
1階の壁の負担が大きくなり、薄い壁では耐えられない可能性があるからです。
現在、構造計算で安全が認められれば可能になっているわけですが、やはり高層になると、この考え方だけでは無理があるとの判断がまだ主流なのです。
5階建てが良くて、6階建てが本当にダメかどうか、これは構造計画によっては大丈夫なこともあるでしょうし、一概に言えないですし、では7階建て、8階建ては?と考えていくと、本当は浅田建築士の設計は、他の下手なラーメン構造の建物よりも強いのかもしれません。
実際のところは、大地震がきてみないとわかりませんが、構造計算の基準をどこかで決めないといけませんから、それからは外れてしまった、低層階の考え方をそのまま高層階にも適用してしまったということが二つ目の間違いだったのではないかと私はTVの本人のコメントを聞いていて思っています。
実際の地震が来たら、浅田建築士の設計の建物の方が下手な構造のものより
残るかもしれないというコメント部分は、聞き捨てならないが?
構造計算の基準は、大震災ごとに何度も変わってきました。
これは、実はまだ良くわかっていないということの裏返しでもあります。
地震は自然のもので、どのような揺れがくるのか、どのように影響するのかすべてを正確に予測できない。
構造計算もすべてを正確にモデル化できて計算しているわけでもない。
考え方や計算方法もひとつではなく、あるやり方ではOKがでて、あるやり方ではNOとなる。
数値がもっともらしく出ているが参考値に過ぎず、考え方によってかなり数値に違いがでることを知っておいて頂きたい。
実大実験なども行っているが、阪神大震災での強烈な縦揺れば再現できていないはずだし、基礎が折れるという前提も、老朽化するという前提も実大実験では無視している。
技術の粋を集めた超高層ビルも当初は考えていなかったが、長期の微震動で予想以上に大きく揺れてしまうことがわかった。
そのため、まだすべてがわかっているわけではないという謙虚な気持ちでいないといけない。
だからこそ、建築基準法どおりだから安全と思わずに、それに加算して安全側に
自身の信念を加算すれば良いのだ。浅田建築士のバランス良く配置するという考え方は
構造計算の数値には表現しにくいことだが、この点は非常に大切なことである。
加算という気持ちでいてくれれば、耐震強度上は問題なかったといえる。
意匠を優先すると忘れがちであり、建築基準法に違反していないから問題ないと考えてはいけない。
今現在の日本の建築の構造計算基準では、浅田建築士の考え方ではNOということである。
実際の地震が来たらわからないというのは、すべてをわかって計算方法を決めているわけではないという意味だ。
浅田建築士を肯定してるのではなく、現在の構造計算基準が絶対正しい、これに合格していれば地震が来ても倒れないとは思わないで欲しいという意味でのコメントだ。
構造計算書は簡単に偽装できるものなのか?
マンションなどの大規模なものは、可能でしょう。というか完全にはチェックできないというのが本当のところでしょう。
構造計算といっても、いくつかの考え方がありひとつではない。
また、どのように適用するか、建築が複雑になれば適用の考え方が異なることは珍しくない。
一般の法律の適用だって、弁護しや裁判官で判断が異なるでしょう。
同じように、建築基準法の計算方法にも細かい部分では、考え方の相違などもできてくる。
すべてを一律にはチェックできないし、それをするには、検査機関に支払う費用も安過ぎますし、検査期間も、人手も足りないのが実態だと思う。
では、一般の戸建てではどうなのか?
マンションと比べて、戸建ての方が安心でしょうか?というメールでの相談も増えた。
そうではない、実はもっと問題です。例えば、木造2階建てでは、検査機関のチェックの多くはもっと甘い。
というか、無い場合がある。
マンションの耐震強度計算に値するのは、通常の木造の場合、筋かい計算にあたる。
これで耐震性のチェックをするのであるが、この書類が付いていなくても審査を通す検査機関もある。
途中の中間検査も無かったり、ノーチェックの場合もあるので、悪く言えばやりたい放題もできてしまう。
一体何を信じれば良いのか?やはり、一流のハウスメーカーや建設会社に頼むのが良いのか?
今までのコメントを理解して頂ければ、そういう質問や結論にはならないと思います。
この問題の原因は、皆さんの先入観が変わらない限り、なくならないでしょう。(^^;)
その意味は設計事務所に頼めということか?
仮に良い設計事務所があっても、費用的に高くなるので、予算が無い場合は無理ではないか?
最近は、予算の無い方の依頼が増えてきました。
でも、費用的に高いとは、何と比べて高いという意味でしょう?
例えば、私は床材には合板フローリングやクッションフロアーではなく、無垢材を使うとかビニルクロスは使わないなどを決めていますが、同じような内容や同じような設計を行えば、私の設計監理費を加算してもハウスメーカーの方が高くなる。
もちろん、意匠にこだわって細部をオーダーすれば工事費用は際限無く高くなっていきますがそれは、逆に言えばカットすることもできる、こだわることもできるということの裏返しです。
一般的な性能や耐久性、耐震性、快適性には関係のない部分で、この部分は住まい手に遥かに良いものを提供できるようにがんばるのが仕事で、造り手である業者のために休み無く仕事をしているわけではありません。
では最後に、横道にそれるが設計事務所の見分け方は?
あなたが、自分好みの意匠だけを求めるのであれば簡単です。今までの写真を見れば良い。
ホームページでも可能でしょう。
品質や構造、耐久性、快適性にもこだわるには、アポイントを取って話を詳しく聞き、質問すればよいのです。
どういう考え方で住宅の設計をしているのか、ポイントは?監理はどのように行っているのか?
以前に取った工事中の写真や業者への指摘事項や手直し事項は?
他の設計事務所やハウスメーカーとの違いは?などなどです。
そうすれば、おのずとわかってくるでしょう。