大改造!!劇的ビフォーアフター 

「大改造 劇的ビフォーアフター」について

ミスター建築士事務所ではなく、ミタス 一級建築士事務所の清水です。(^^;)ゞ
平成15年11月23日に放映された大改造 劇的ビフォーアフター
「トイレに行けない家」に匠として出演いたしました。

このリフォームについての簡単な解説と写真をアップします。



出演受諾の経緯

それまで、私自身は最初から最後まで見たことはなかったTV番組でした。
というのは、私が見ていると 
「耐震面では改悪している。建築士がTVでこんなことしてはいけない…」
「断熱材の張り方がやっぱり間違っているなぁ…」
「こんなに安くはできない…」
などとブツブツ言いながら見るので、妻がチャンネルを変えてしまうからです。(笑)

依頼があったときも、「壁を無くして窓だらけにし、見映えだけを重視すると
耐震性を改悪してしまうので、そういうリフォームは、私にはできません。
リフォームの時こそ、耐震面の補強や隠れている内部の手入れ、
断熱性の向上など快適面を徹底的に見直すべきだといういのが、私の考え方です。
また、見えない部分にお金を掛けることになるので、あんなに安くは、とてもできません。」
とお話しました。

すると、「それぞれの建築家の先生のポリシーに任せているので、
清水先生のお考えを訴える内容で行って下さい。それならば良いでしょうか?」
という意外にも良心的な返事で、断る理由がなくなりました。

設計については、施主の困っている点をお聞きして、後は完全にお任せで
完成するまで見せることなく、相談もいたしません。そういう意味では建築家
として一番やり易く楽しみながらでき、大変おもしろかったと言えます。



施主の要望と設計のポイント

15坪の平屋で築50年の戸建てに家族3人(ご夫婦・お嬢様)が
仕事場を兼用していて、増築などを繰り返したため、
動線もプライバシー、収納スペースや部屋数不足、快適性などもかなり不満を
抱えていらっしゃいました。

仕事の来客が夜などもあったり、昼間でも家の奥まで他人がトイレを使用するため
入ってきてすべて見られてしまうとのことでした。
お父さんの趣味は和竿造りで、たくさんの和竿がありました。


その他の問題点は、

・玄関の土間に事務机があり、冬はかなり寒くて事務仕事が大変
・浴室がキッチンの横に増築してあるが、天井も低く脱衣室も洗面所もない
・お嬢様の部屋が無く、お母さんと2段ベットで寝ているが、その部屋も
  ダイニングから丸見えでプライバシーが無い
・お父さんの部屋が、一番奥でお嬢さんの部屋を通って行かなければならないため、
  夜などお互い気を使っている
・収納スペースが不足していて、物があふれ、天袋など高い場所は使いにくい
・お風呂も部屋も冬はかなり寒い
・おばあちゃんがいらしゃったときにトイレが狭く使いにくい

その他、私から見て、心配したのは耐震性の問題と老朽化でした。
床下と天井裏を拝見しましたが、壁を増やすだけでは意味がなく
既存の基礎の補強と新設が必要でした

費用やプランとの兼ね合いで喜んでもらうものができるかどうか…
それにTVなので、ある程度見せ場も必要だし…
という難しい状況でしたが、結果的には楽しみながら行うことができました。



工事中について

工事中に、私は数百枚の写真を撮りましたが、TV局の人に不思議がられました。
「なぜ工事中の写真をそんなにたくさん撮るのですか?今まで、そういう先生はいませんでした。」
と聞かれましたが、

「内部は工事が終わると隠れてしまうので。解体して問題点を確認して、どうなってしまっているからどのように手直したかを撮るのです。」

私が監理すると、新築でもリフォームでも工事中は何度も現場へ足を運び
数百枚の写真を撮ることになります。

いろいろやりたかったのですが予算は非常に苦しかったのです。
工務店に協力してもらうことはもちろん、メーカーにも協賛してもらい、アウトレット品や処分品を探して、使えるものはどんどん使いました。外部のデッキや竹の塀、その他飾りもホームセンターなどで安いものを探してトラックで運んで自分でもかなり作業をしました。

数字に現れる工事予算は少ないですが、私の設計監理費は当然工事費には入っていません。
見えないところで私の手間は通常と比べてもかなり掛かっていますが、TV局から別に頂いてい
ます。

しかし、TVだから協賛や協力してもらえた工事価格であり、私もボランティアのつもりでかなりの時間を費やしましたので普通では無理な費用です…お間違えなく。
それでも、工務店や下請けにゴリ押しすることなく、費用の面で損もさせなかったので、それが救いです。

工事としては、耐震補強上どうしても必要なので壁が増え、既存の基礎補強はもちろん、新しい基礎を増やしました。丸裸にしたので、金物の補強や腐っていた土台、柱の入れ替えも行いました。 新築で必要なホールダウン金物に相当する構造補強を、リフォームで通常よりかなり安価にするための工法を取り入れましたが、そのコメントや内容もTVで取り上げてくれました 

こういった地味な構造補強面を番組で取り上げてくれたことは今までに無かったとのことで、私の訴えたかったことを取り上げてもらえて、大変感謝しています。



クイズについて

この番組では、クイズが2つあります。
遊びの部分ではありますが、いずれも施主に喜んで頂いたもので、苦労してやって良かったと思いました。



感想とその後

施主の希望をお聞きして、後はすべて任せられるので、楽しい仕事でした。
またアシスタントディレクターの方は朝から晩まで職人以上に長く現場にいて、職人さんの世話や手伝い、撮影を行っていたのには驚きました。そのお陰で、職人も張り切って仕事をしていました。

入居して頂いた施主にももちろん喜んで頂きましたが、私も後でさらに嬉しかったのは、数ヵ月以上経ってから何度か突然お伺いしましたが、収納をきちんと意図通り利用して頂き、物が溢れていなかったことです。



写真と解説

    
工事前の写真(サムネイルで見る)

    
工事中の写真(サムネイルで見る)

    
工事後の写真 (スライドショーで見る)

    
    工事後の写真をサムネイルで見る場合は、下記の写真をクリック
リビング1

赤色をどこかに使わせて頂くことが多いのです。ここでは、赤いベニヤを現品処分の格安で手に入れて飾り棚に使いました。造ってくれた大工さんも喜んでいました。
リビング2

右側の両開扉を開けると机になります。以前玄関先の寒い土間で事務仕事をしていたので、暖かく仕事ができるはずです。現在の玄関位置は以前は浴室でした。
リビング3

両開き扉を開けると机の天板や引き出しもそれぞれスライドし
て引き出せます。天袋の踏み台にもなるように作成しました。
リビング4

リビング5

耐震補強で新しい大きな耐力壁と新規の基礎を設けました。奥の洗面所まで扉を開けると風が一直線に抜けていきます。
リビング6

扉を閉めたところ。
夜に来客も多いとのことで完全にプライベート空間と分かれるようにしました。東の屋根には天窓を2箇所で、朝日を浴びて朝食を。
キッチン

家の中を一直線に風と光が抜けるようになっている。幅は狭いが造付の棚で、内容に応じて深さを確保し、もともとの玄関をキッチンに転用しました。
ローカ1

風がキッチン、リビング
ローカ、洗面とすべて抜けて通る。天井のロフトにはこの手前ローカの一部の床が昇降し、アクセスできるようになっいる。
ローカ2

キッチン、リビング、ローカ
人の歩くところは、すべて床下収納になっている。炭を敷き湿気対策。かなりの量が確保でき、普段から便利に使って頂いている
洋室1

真ん中の折れ戸には、ウォークインクローゼットを確保。
上部はロフト、ローカからだけでなく、はしごでもアプローチできるようになっている。
洋室2

このブラインドは、外部視線によって、上下どちらでも部分的に開けることができるプリーツタイプのものです。
トイレ

おばあちゃんが使うこともあるので、幅も広めに。
腰壁の杉板は、安く仕入れました。

浴室

ハーフユニットに杉板の壁と天井。防湿と防水の処理を念入りに確認。浴室の窓からの坪庭が見えるように。もちろん、窓にはブラインドも付いています。
寝室

デッキへとつながっていて使い勝ってが良く、くつろげます。床は、暖かく脚に優しい、桐の無垢材。押入れの左には感動の釣り竿収納が入っています。
デッキ1

ホームセンターで安い竹を買ってその場で切断し、トラックで運んで取り付け。目隠し、通風と安らぎ感が低価格で確保できました。デッキ材はレッドシダーですが、これも安く手に入りました。
デッキ2

ここも、あちこち店舗を廻り、安いものを購入しました。つくばいの水の音、夜は水中ライトやスポットライトでいい感じです。すべて私の手造りのローコスト作品…。







 





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