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住宅の断熱性と快適性を考える(3)

前回(2)の続きです。http://www.mitasu.com/blog/2018/03/2-2.php

住宅の快適性を考えると、断熱性能がキーワードのひとつになることは

誰でも納得しやすいですね。

 

ですが、正しく理解され、それが住宅に反映されていることが大切ですが、

訳のわからない数値でごまかされている、というのが実情なのです。

正しく知っていただくために、長くなりますが引き続き基本説明をアップしています。

 

今回は、C値についてお話しします。

C値が低ければ、隙間の割合が少ない、気密性が高いということになり

そうすると熱効率が良くなりコントロールがしやすくなるという理屈です。

関東以南では、2.0以下を求められます。

ですが、これは普通に作っていればクリアできる数値のはずです。

これより大きな数値となると、工事方法が間違っているか、最初から考え方が違うか

のどちらかです。

正しく造れば、気密性を意識しないでも1.0くらいにはなります。

わかりやすく数字をもっと凄い数値にするために、「0.5だ出た!」「0.2だ!」と数値だけを求めて競っている場合があります。

ドイツの基準では、0.2以下なので、それを目指すことは悪いことではありません。

でも、ドイツの外壁は、木造でも36センチとか30センチ以上の厚みがあります。

普通に正しく工事をしていれば、可能な数値です。

日本でも0.2以下を目指すことは良いことなのですが、日本では気密性の取り方が間違っているのです。

Q値やUA値は設計上の数値でしかありませんので、実際にはどういう断熱性能になっているのかは、わかりません。

工事方法が間違っていたり、雑だったら設計以上の断熱性能になっていません。

半分くらいに下がっている場合も、よくあります。

気密測定.jpg

   ▲気密測定器をセットしました。

 

しかし、C値は現場で測定するので、設計とは関係なく個別に出てくる数値です。

数値を小さくするのは良いのですが、問題はその気密性を取る工事方法が間違っていることです。

日本の住宅技術者、建築家や建築士は、こういう点をあまり考えませんし、勉強しようとしません。

もし、北米の住宅の工事方法をしっかり学んで、その違いと理由を理解したら、

現在の日本の住宅の造り方が、断熱、防湿、結露に関していかに無知であるかがわかるはずです。

気密性を取るために、すなわちC値をアップするために、日本で行っていることは

外壁下地合板などにシーリングをして気密を取っています。

その方法が気密性を取るために、最も簡単にできる方法だからです。

これが大きな間違いなのです。

これでは、壁体内結露を誘ってしまいます。

気密性を取るのは、外壁の下地ではなく、

石膏ボードの外部側に使用する防湿フィルムで取らないといけないのです。

カナダでは、外壁合板下地に隙間を明けて張ります。隙間の空かない場所は、穴を開けています。

C値の最小化を求めて自慢している日本の建築技術者、建築士、建築家の多くと真逆のことをしているのです。

日本の工事方法では、必ず受けなければならないカナダの検査に合格しません。

なぜなら、有り得ない間違いをしているため、壊してやり直しを命じられます。

日本では、第三者検査でもノーチェックというか、方法についてのコメントも判定も指導もありません。

理由は、検査をする立場でも求められていないので、知らないからです。

「断熱性能の良い住宅は、健康に良い。気密性も重要だ」と訴えている住宅メーカーであっても

本質をわかっていないのが残念です。

 

なぜ、これにこだわるかというと、

断熱性能を上げれば上げるほど、防湿を考えなくてはいけません。

気密ではなく防湿です。

そして、間違った方法というのは、気密性を取って喜んでいるのですが、

防湿を妨げているので、家のためには良くないことをしているからです。

木造であれば、やがて腐る箇所が出てきますし、鉄骨造であれば錆びます。

耐久性に問題を生じるからです。

 

一般の人には難しいでしょう。

一級建築士でも、この意味を理解できる人は少なく、工事業者ですとさらに少ないです。

昭和48年のオイルショックで、日本の住宅でも断熱材を入れるようになりました。

ですが、断熱材を入れればいいんだろうとグラスウールを押し込んだのですが、

その製品の製作方法も間違っていて、工事方法や入れ方まで間違っていたために、

いるいろ問題が起きましたが、気付いたのは、東北地方以北や寒冷地だけでした。

関東以南の隙間だらの家は被害を受けなかったのです。

 

ですから、寒冷地の住宅では意識していますが関東以南では、意識していないのですが

こうして高気密高断熱にした場合は、関東以南でも問題が生じるので、指摘を続けています。

 

次回(4)は、断熱性能が設計上と実際とが、工事方法によってなぜ異なるかについてお話しします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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